・体験プログラム7カ条

ボランティア活動は自発的な活動です。学校などが企画して、子どもたちにさせる活動は「ボランティア」そのものではありません。それは社会活動の体験です。ボランティア活動と、教育プログラムである体験・学習をきちんと整理・区別して提供すること。そして「なんのためにやっているのか」という目的を明確にして企画すること。テーマ設定、取組方法(プログラム)が、目的を達成するものとなっているかという点も重要です。

 体験・学習自体はとても意味があります。そこでの経験からボランティア活動をやってみようという子どもたちも生まれると思います。体験プログラムを企画し進めていく際に必要な視点をまとめた「7か条」を参考にして取り組んでみてください。

・ボラセンのすすめる 体験プログラム 7カ条

(1)企画者自身が意義を信じているか、本気か
主催者(活動を促す人)の本気や思いは参加者に伝わります。「仕事だから」「やらないといけないことだから」という意識では参加者の共感を得られません。「自発性が自発性を呼ぶ!」(by筒井のり子さん)

(2)何のためにやるのか目的を明確にしよう
 何を伝えたいのか、目的を具体的に考えてみましょう。例えば、「環境の大切さを知る」には、地球環境全体に関わる環境汚染の問題から、沖縄の自然の特徴、ゴミ問題までいろんなテーマがあります。漠然としたテーマでなく、具体的な目的を明確にしましょう。

(3)目的と取組内容(プログラム)の一貫性が重要
企画しているプログラムの内容が、目的を達成するものとなっているかが大切です。「障がい者理解」ということでアイマスク・車いす体験を行っても、障碍のある人自身と交流したり話をすることがプログラムになかったら・・・。目的とすることが参加者に本当に伝わる内容や展開になっているかプランを練りましょう。そのために継続的な展開が必要です。また体験・学習で終わらない、voloにつながる視点を大事にしましょう。

(4)企画段階から参加者が参画できるような工夫をしよう
参加者の自発性や参加度を高めるためには、参加者自身が企画に参加したり、意見が反映されるようにすることも大事です。参加者と②③④を共有することから始めましょう。

(5)参加者自身が「選べる」こと
 「選ぶ」ということは、自己決定していく大事なプロセスです。複数のコースを設けるなど「選べる」環境をつくりましょう。

(6)楽しめること、意欲を持てること
 「わくわくする、楽しめること」は実はとても重要です。テーマによってはしんどい内容もあるかもしれません。でも、「取り組んでいる人の言葉から希望を感じた。一緒にやりたい」「参加者やスタッフと何でも話せて楽しかった」など、「楽しい」テーマでなくてもできることがあります。

(7)終了後、振り返りを行う
 参加者、企画者ともに振り返りが大事です。参加者が「うまくいかなかった、できなかった」という経験も大事にしましょう。次はどうしたらいいか・どうしたいか、そのために何ができるか一緒に考えることで、次の活動につながります。また、企画者にとっても、自分たちの伝え方、内容について振り返ることで次のプログラムに反映させることができます。