NPOと行政の協働って何ね!

 前号では、「ボランティア」や「市民活動」「NPO」というものが活躍し始め、社会に必要とされてきているということが紹介されました。また、最近では「NPOと行政の協働」という言葉が様々な場面で叫ばれています。特に行政にその傾向は強いようです。今回の特集ではこの「NPOと行政の協働」に注目していきますが、そもそも「協働」とは何でしょうか。「事業委託をすること?」「共催でイベントを実施すること?」「一緒に何かすること?」それらは「協働」なのでしょうか。

ここでは、NPOと行政が「協働する」ということはどういうことなのか、なぜ今協働が求められているのか、そして、沖縄県那覇市にて2003年度から行われている「コミュニティいきいきプロジェクト」に注目し、実際の協働の現場から考えてみました。

「NPO」と「行政」なぜ一緒にやるの?

 NPOと行政の協働」を理解する前提として、NPOという新たな公益のサービスを生み出す主体が強く育ち始めたということがあります。社会を構成する行政・企業・NPOなどの組織や家庭が、それぞれの役割をしっかりと担っていく中で、NPOに求められる役割が大きくなってきており、NPOもそれに応える形で成長してきているということです。「NPO」も「行政」も公益のサービスを提供しているという点と非営利であるという点では同じです。ただし、行政は市民からの税金によってサービス活動を行い、NPOは市民からの寄付や会費、サービスへの対価収入、また行政からの委託、補助・助成等によってサービス活動を行っています。 

では、なぜNPOと行政の協働が求められるのでしょう。それは、それぞれが単独ではできないこと、不十分なことを、一緒に行うことで、可能としたり、十分なものとするためです。それぞれが主体的にお互いの持つ力・資源(ひと、もの、かね、情報、知識、知恵、アイデア、技能、技術、ネットワークなど)を最大限に活かして実現していくというところに協働する意味があります。ですから、行政やNPOが単独で十分なサービスを生み出すことができるならば、協働する必要性はないわけです。

なぜ、今「協働」なのか?


ではなぜ今これほど様々な場面で「協働」という言葉が叫ばれているのでしょうか。それにはいくつかの理由があります。まず、限界が明らかになりつつある行政の政策展開に新たな可能性を見出すためには、NPOの先見的な視点や情報が有効であるということです。そして、めまぐるしく変化する時代の流れのなかで、多様化する市民の声にきちんと応えられるきめ細やかなサービスが求められていますが、これまでの行政のノウハウやシステムでは対応が困難であることが出てきました。
そうしたときに専門性のあるNPOへ委託したり、協働作業を実践する機会を多く持つということが今、行政に求められているのです。

「協働」って具体的にどんなことが行われているの?


それでは、NPOと行政の協働は実際にどのような形で行われているのでしょう。実際のNPOと行政の関係を見てみると、行政からNPOへ事業を「委託する」という形や、行政からNPOへ「補助・助成を出す」という形、またはN POの主催する催しを行政が「後援する」という形、実行委員会等へNPOや行政が対等の立場で「参画する」と いう形も見られます。また、最近では市民からの提案による協働も現れています。しかし、協働に至る過程や進めていくルール、協働形態などまだまだ手探りであるというのが現状です。

下図は、沖縄県内のNPOが行政とどのような形で関わりを持ってきたかを年度ごとに示したものです(参考文献_より引用[県内NPO55団体から189の取組みを抽出])。これを見てみると、主に「補助・助成」「事業委託」「実行委員会等への参画」が年々増加しておりNPOと行政の関わりは今後も増えていくであろうということがわかります。


しかし、注意しなければならないのは、「公共=行政」という社会通念が根強く残っていることから、権限を独占したままの行政が、協働の機会を「用意する」というスタンスが続いている場合も一部に見られることです。なかには、財政難の行政の「安い下請け」にNPOが使われてしまうということもあるようです。こうした「協働といえない協働」とならないためには、行政側の意向をそのまま受けてNPOが事業を担うのではなく、お互いの考え方や背景の違いを相互に認め、理解し、対等に提案、議論しあえる関係をつくることが必要になってきます。

(※)宮道喜一『沖縄における「政府セクター」と「市民セクター」の関係と協働のあり方に関する研究』(2004年、未公刊)より引用

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